五山送り火(大文字)は有名ですが、「消し炭」と聞いてもふつうはあまりピンと来ないんじゃないかと思います。
消し炭とは送り火が行われる山の火床で焚かれた松明(たいまつ)が燃えて炭になったもののことです。
魔除けや厄除け、疫病よけなどのご利益があるといわれている消し炭について、消し炭拾いができる時間と場所をまとめます。
五山送り火の消し炭とは?
ご先祖の精霊を冥府へ送る仏教的な行事である五山送り火にはさまざまな信仰があります。
例えば、護摩木に名前と病名を書いて送り火で焚くと病気が治る、送り火を盃に映して飲むと1年間無病息災で暮らせる、茄子に穴をあけてその穴から大文字をのぞくと目が良くなるといったものがあるそうです。
護摩木についてはこちらの記事で紹介しています。
五山送り火2019護摩木の受付場所と時間は?書き方や値段も!
そういった信仰の流れで、五山送り火の消し炭は、魔除けや厄除け、疫病よけなどのご利益があるといわれていて、和紙や半紙で包み水引で結んで戸口や軒先に吊るす風習があります。
京都の家の玄関には、祇園祭の粽(ちまき)と一緒にこの消し炭が吊るされていることもありますよ。
消し炭拾いができる場所は?
送り火から一夜明けた翌朝には、大文字山に多くの登山客が詰めかけます。
お目当ては、火床に残る消し炭。
厄除けや無病息災のご利益があると伝えられている消し炭は「大文字」の如意ヶ嶽に登ればだれでも無料で入手することができます。
他の四山は消し炭拾いは禁じられていますので、消し炭が欲しいからといって勝手に登山したりしないようにしましょう。
消し炭が拾えるのは火床と呼ばれる松明を燃やすポイントです。
長い大谷石を山肌の平場に置いた場所で、そこに護摩木や松割木を井桁状に高く積み上げて点火します。
火床の数は山によって異なり、如意が嶽には75ヶ所あります。
ちなみに、一番多いのが鳥居形で108ケ所、少ないものは左大文字で53ケ所だそうですよ。
消し炭拾いに行く人たちには銀閣寺ルートの登山道がよくつかわれているようです。
銀閣寺観光駐車場は夕方5時~翌朝8時までは無人無料の駐車場となります。
トイレは夜中も使えます。
登山口には自動販売機もあります。
消し炭拾いができる時間は?
五山送り火ほどは知られていない消し炭ですが、たくさんの人が大きな消し炭を求めて如意ヶ嶽を登るので、登る時間がポイントになります。
送り火当日は入山できないので、日付が変わってから多くの方が登られるそうです。
翌朝7時ごろまでに行く人が多く、混み合う時間となるようです。
8時ごろにはもう拾いつくされてしまうようです。
夜中の登山は周囲や足元が見えないので、ヘッドライトなどの明かりを用意してください。
明るくなってから登っても早い時間なら小さな消し炭は残っていることがありますので、特に子供連れや登山に不慣れな方などは明るくなってから登山するのがおすすめです。
まとめ
何百年も昔から毎年8月16日に行われて京都で受け継がれてきた伝統行事・五山の送り火の翌朝の「消し炭拾い」についてまとめてきました。
- 消し炭には魔除けや厄除け、疫病よけなどのご利益があるといわれている
- 如意が嶽(大文字)のみ消し炭拾いができる。他の山では禁止です
- 消し炭拾いができるのは五山送り火~翌朝の7時ごろまでが狙い目。当日は入山できないので日付が変わってから。
消し炭拾いに行く場合は、前日の日が落ちるまでに下見をしておくと良いですよ!
拾いに行く時間はまだ真夜中なので道がわからない可能性もありますからね。
普段登山に慣れていない人には少し険しい道ですが、山自体はそれほど高くはないので火床までの距離はそれほど遠くありません。
小学生やお年寄りでも消し炭拾いに来られているようです。
そうはいっても、十分気を付けて安全に登山するようにしてくださいね。
拾った消し炭を入れる袋を持っていくのをお忘れなく!
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